だから産科は・・・・

ご相談 大阪府民さん
こういう人がいるから、私は産科医にはなりたくないなぁと思うわけです。訴訟リスクが大きくても、食べていけるのなら私は最後は何科でもいいと(少しヤケクソに)思っているんですが、患者に拒否されるような科はやりたくありません。私はまさに774先生やdemian先生がコメントされたとおりに思っている医学生です。そして、それは決して特殊なことではない。多くの医学生がそう思っています。うちの大学の同級生(まだ臨床に触れていない3回ですが)には「小児科になりたい」と話す人は多くて10人ぐらいはいるんですが、あるいは「婦人科で女性をケアしたい」と話す女子学生は何人かいるのですが、「産科がいい」と言っている人を未だ私は知りません(もし、いたら教えてください)。

女性医師にとっては産科はリスクが高くてハードのでしょうし、男性医師にとってはこういう人のせいでそもそも積極的になりたいと思う人が少ない。同じ大阪府民として思いますが、この人は大阪府の産科医療の崩壊を助長しているにしか過ぎないのではと思います。すでに北摂地域でも一部の高級路線を取る産科以外の産科はどんどん廃業したり、婦人科オンリーへの転向が進んでいます。もうちょっと考えたらどうかと思うんですけどね。

大阪人の悪いところは「お客様は神様だ」思想があまりに強いところです。理不尽を聞くのが商売だと思っている。もちろん、理不尽を聞いて儲けがでるならそれでも我慢できましょう。しかし、理不尽を聞けば赤字が拡大するのが医療です。それは厚労省がそういう方針なのですから、現場にどうこうできるものではありません。僕自身は医療は半分はサービス業だと思っています。でも、「サービス業」が「客の要望にすべて応じるべきだ」ということと直結するものではない、直結するためには様々な条件、たとえば事業にそれなりの利益が出ているというようなことが必要であるということはきっちり指摘しておきたいと思います。