2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

改革が求められているのは国の対応ではない、国民の考え方だ

朝日新聞より 11病院拒否 妊婦の悲劇教訓生きず 救急システムに穴 お産の医療現場で悲劇は繰り返された。29日朝、奈良県橿原市の妊婦(38)が病院に相次いで受け入れを拒まれて胎児を流産した事態の始まりは、昨夏にも妊婦が死亡したのと同じ県内で起…

直罰と間接罰

厚労行政の一つの問題点は間接罰をあまり積極的に取り入れてこなかったことです。日本全体がそうなのかな。誰かが失敗を犯すとそれを是正するというよりは徹底的にその人をいじめる、いやらしい国民性というのが他の先進国よりも国家システムに強く影響して…

理の視点、医工農の視点

理学部と医学・工学・農学部の視点には大きな差があることをここ1週間、痛感させられています。基本的に実学、職人さんである医・工・農は「〜に役立てる」「〜に使う」を最終的な目的としています。しかし、理学の人々は「〜が分からないから知りたい。以上…

若者は組織が大嫌い

若い研修医や医師の話を聞いていると必ず出てくるのが、日医と医局への反発です。厚労省の日医アレルギーも結構なものですが、最近の若い医師の日医への反発度はそれの何十倍も高いと思います。旧来型医局への反発も相当なものがあります。最近は教授の権力…

神戸決戦?

m3comから面白い記事が・・・神戸の2次救急体制/医師の疲弊で弱体化の恐れ 近隣自治体からの流入 DPC病院拡大なども背景 DPC病院拡大による機能低下を懸念 記事本文は転載できないのですが、いよいよ懸念されていた集約化のドミノ倒しが始まるようです。最…

厚労次官退任

from Shizuoka 厚生労働省の事務次官は辻哲夫という人だったのですが、社保庁という傘下の実務官庁の不祥事の責任を取る形で更迭となりました。この辻哲夫氏は厚労行政史上稀に見る、厚生労働行政に非常に熱心な次官であちらこちらに出向いては「国民のため…

今日からまた遠くへ行きます

今回は東京ではなく静岡県です。10日ほどいません。ほぼ缶詰になるかと。宿舎には個別のネット環境もないようなので、管理が出来ないと思いますので、新規コメントを停止します。一応、メールはできるだけチェックできるように交渉したいと思ってますので、…

複雑な心境

<診療科名削減>厚労省が見直し案を白紙撤回 学会が猛反発 医療機関が掲げることができる診療科名を巡り、厚生労働省が「患者に分かりやすい表記を目指す」として、今年5月に公表した基本診療科名を38から26に4割削減する見直し案について、同省が事…

統計いじり

霞ヶ関に行ってよかったことは、統計に気を配るようになったことでしょうか。他の部署が納得できるようにものを言うためにはデータを出さなければなりません。 いろいろいじってます。もっとも、これらの調査は全数調査が基本なので標準誤差の問題などを考え…

医療崩壊と地方崩壊

最初は上の株安の話の続きで書いていたのですが、長くなったので別に分けます。でも話し自体は上からつながっています。ある意味、現在では局所的に数多く発生している医師不足が、全体像としてどの程度のものなのかが分からないゆえに医療者の間で医療崩壊…

初めて見た人魂

昨日(16日)、21時45分頃自転車でジムに行こうと家を出ると、やけに周りが暗かった。よく見たら一番最寄の街灯が消えている。蛍光灯の寿命なのだろう。うちの家は閑静な住宅街にあるゆえ、防犯上暗いのは危ないので関電に連絡しなくては、と思いつつ、近く…

円高株安進行中

とりあえず書いてみた。昨今のミニ株、FXブームで積極的な投資に出ている人々は他人事ではないだろう。7月末からお盆の間に円高が急激に進行し、株価も大暴落中である。もとはといえば、アメリカの低所得者向けローン、いわゆるサブプライムローンの焦げ付き…

続・医療崩壊論を考える

僕自身は東京に行く前から多くの医療ブログを何ヶ月にも渡ってウォッチしてきたし、学会などでの医師不足のセッションも何度か聞いてきたので、だいたい医療側が主張する内容の多くは知っているつもりです。学会などで呼ばれた厚労省の官僚が医療側から集中…

医学部へ入った理由を振り返る

僕自身はAB型ということもあり(?)結構昔から変わった人間であることを自覚はしているのですが、多くの人からすれば僕が医学部へ入った理由というのは異端なのかもしれません。でも一応明らかにしておきたいと思います。長文ですが、よろしければお付き合…

医療崩壊についてのスライド

先日の統計データに続いて、こんな資料を作ってみました。あまり利用してくれる人は少ないだろうとは思いつつ、ご自由にお使いください。また、ここはおかしい、ここはこう変えるべきと思う方がいれば遠慮なくご指摘ください。

医師は増やさない、増やせない

私は結構昔から「医療費増額なくして、医学部定員増加はなし」の立場をとってきたのですが、まずはこの資料を 緊急医師確保対策について(政府・与党) 1.医師不足地域に対する国レベルの緊急臨時的医師派遣システムの構築 医師不足地域に対し、都道府県か…

医療の限界

医療の限界 (新潮新書)作者: 小松秀樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/06/01メディア: 新書購入: 12人 クリック: 274回この商品を含むブログ (53件) を見る実は東京にいる頃に読んでいたのですが、遅ればせながら紹介。 医師のミスは犯罪か?患者は消費…

市民参加を法律で強制するなら

裁判員制度が始まるようです。私の住む大阪は、一番裁判員に選ばれやすいんだとか。正直、うぜ〜。私はどうも裁判員制度が法曹・検察の自己満足に終わっているような気がして仕方がないのですが、裁判を身近にするのならば、既存の法廷審理なんかやめてネッ…

医療崩壊論を考える

前々から少し疑問であったんですが、いろいろな意見を中立な立場から眺めてみるという視点で考えると医療崩壊も実は「一種のお祭り」である可能性は否定できないなぁという気がします。確かに地方を中心に医療は急速に崩壊していることは否めないのですが、…

帰還

無事、関西に戻ってきました。久々にゆっくりできそうです。しかしながら、本当にカルチャーショックの連続でしたねぇ。ある意味、とても面白いなぁと感じたわけですが。視点を変える重要性をより認識させられたように感じます。一つ制度を変えるだけでも、…

原爆症対右翼

皇居の南東では8月に入り終戦の日が近づくと、街宣車があちらこちらに出没するようです。最近の右翼は平気で「核武装せよ」とか車体に書いているので、原爆症裁判で毎日座り込みをしている被災者の人々と思いっきりマイクで罵倒しあったりしています。何か起…

西岡氏のバカさ加減

さっそく出ましたねぇ。バカさ加減が。これも寄せ集めの民主党だからこそ起こることで。 制服の子に悪い…クールビズ廃止、西岡議運委長が突然提案 地球温暖化はもはや世界的問題なのに、見学の制服云々でクールビズの本来の目的を理解していないようなこの提…

医療崩壊とプロフェッショナリズム

明香ちゃんの心臓 <検証>東京女子医大病院事件作者: 鈴木敦秋出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/04/20メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (8件) を見る歯科医師の娘が名高い大学病院で医療事故で命を落とした。医療人として医療の不…

ニセ医者

保険医まで登録するような本物のニセ医者がいたとは驚きです。 データベースでニセ医者ばれた、眼科開設の男を“摘発”

リスクをヘッジするコスト

5才以下までに1000人に2人発生する不治の病気があったとします。その病気にかかると重い障害で生涯で介護や治療に2000万円必要です。裁判が大変だというので、すべての新生児にこの病気の保険をかけるとします。1000人に2人、2000万が必要なので、1000人で40…

JRの調査と事故調の調査

「まるで他人事」極まる不信 ATS設置遅れを謝罪 JR西社長 尼崎事故 検証なし「なぜだ」遺族ら不満噴出 社長謝罪も紛糾6時間 尼崎脱線事故JR西説明会 調査、事故調任せ JR西日本社長が会見 遺族・負傷者説明会は終了 遺族「自ら調べて反省を」 JR…

薬害C型肝炎訴訟

ちょっと衝撃だったので、これだけは取り上げておきます。 HCVによるC型肝炎は1980年代後半に発見された新興感染症です。分からないことが多いため、今でも数多くの研究が行われています。ところが今回の 薬害C型肝炎:製剤承認時から国と企業に責任 名古屋…