若者は組織が大嫌い

若い研修医や医師の話を聞いていると必ず出てくるのが、日医と医局への反発です。厚労省の日医アレルギーも結構なものですが、最近の若い医師の日医への反発度はそれの何十倍も高いと思います。旧来型医局への反発も相当なものがあります。最近は教授の権力も弱体化し、若い医師に教授が「お前、次ここ行ってくれ」と言うと次の日に「じゃあ、医局やめます」という答えが普通に返って来る時代です。皆、医局のような旧態依然の制度が嫌いなのです。

これは何も医師に限ったことではありません。最近の20代の人間は基本的にそういう組織的な行動を嫌う傾向があります。行きたい会社も組織力があるところではなく、自由にプロジェクトを任せてくれるような会社にこぞって就職していきます。かつての労働組合なんてもってのほかで、そんなことを熱心にしているヤツはただの落ちこぼれとしか見られません。とかく、すべてが個人中心で完全にバラバラに動いています。私は1、2年と研究中心生活をしてきたので運動部のことはよく分かりませんが、医学部の運動部もかなり組織的なものが失われつつあるようで、全体としての統制が取れなくなってきているところも多いと聞きます。

文科省が医局機能の復活をもくろんでいるそうですが、もはや今の若者に医局制度は一切通用しません。そんな胡散臭いものは絶対イヤだと考えるでしょう。もちろん、医局がすべて悪いとは思いませんが、イメージとしてかなり嫌悪感を持っている医学生・若い医師がほとんどだというのは確かだと思います。基本的に彼らはマスコミのイメージ戦略にある程度洗脳されているというのもありますし。

実のところ、結構今の医療なんて崩壊すればいいと公言する若い医師もいます。とかく、今の医療が古臭いと考えている人は多いようですね。小泉改革の世代だからかな。まぁ、何度も言ってますが、「日本型医療システム」が一旦崩壊するのは避けられないでしょう。

文科省厚労省ですが、あんまり仲がいいわけではなさそうです。とかく、縦割り行政なので、他省庁とまじめに協力をするというのはよっぽど重要なことでない限りは少ないでしょう。色々時間も調整しないといけないし、何回も会合しないといけないのは非常に面倒ですから。同じ局内でもあまり交流がないのにね。

ただ、文科省厚労省以上にバカなのは確かで、大学病院中心というのがまずあり得ない。若者は学閥が超嫌いです。若者の中で新臨床研修制度を根っから嫌う人は殆んどいません。いままで否応無しについていた学閥の枠、アカデミズムの枠をある程度はずしてくれたからです。それを元に戻すなんて不可能です。