2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧
図書館で新しく入った本をあさっていると、興味深い書籍を見つけたので紹介します。 「SARS いかに世界的流行を止められたか」WHO西太平洋地域事務局(厚生労働省健康局結核感染症課推薦) 第14章に「メトロポール・ホテルの謎を解く」という項目があり、ど…
1990年以前と以後で、日本人いや世界を取り巻く環境が大きく変わりましたが、その原因を探っていくと必ず出てくるキーワードがあります。それが冷戦終結後の急速なグローバル化の進展です。グローバル化は世界中で激しい競争社会と凄まじい経済成長をもたら…
先日、部室に事務の方が避難経路の調査にいらしたので、「うちの大学ではどのくらい定員を増やせそうですか?15人ぐらいですか」と聞いてみました。「文科省が定員増加に伴って教員定員を増やしてくれるなら、地域枠に限って増やすことは考えているが、5人ぐ…
尾辻元厚労大臣が日経メディカルで「すべての医者に飯を食わす必要はない」と言って、定員の大幅増を訴えているようですが、すなわち、これは医者の供給原理に市場原理を導入せよといっているのに等しいわけですね。となれば、需要側にも市場原理を導入しな…
最近、医療費抑制政策等、国の財政問題の話題が多いのですが、未だにストックとフローをごちゃ混ぜにして議論している人が多いことに驚かされます。典型的な例を挙げれば、年間2200億円社会保障費を抑制して5年で1兆1000億円伸びを削減するという政策があり…
自民党の中川氏が煙草1000円の提案をしてから、財政面の問題や健康面の問題について色々な研究結果が各所から出されていますが、注意しておかないといけないのは、学者によって立場が異なるということです。たとえば煙草好きの学者であれば、「値上げしても…
士気低下…漂流する厚労官僚 今や「負担増の伝道者」 岡光事件以来、落ち目の厚労省。最近は事務次官候補者が大学教授に積極的に転身するなど、医師だけでなく厚労省でも逃散が相次いでいるようです。この話はウソでもなんでもなくて、最近は医系技官の5年生…
先日の公衆衛生の発表会で後期高齢者医療制度のグループに対しての質問で、私が「この制度に関する問題の核心は、結局高齢者の医療費に関して現役世代と高齢者世代の間で負担割合をどうしていくかということなんですよ」と指摘したところ、その班のメンバー…
先日、医療の役割に関して問題提起をしました。感染症から生活習慣病へという疾病構造の変化によってもはや医療は魔法ではなくなり、患者の私生活に干渉しなければならなくなった上に、医療の進歩によって余計に社会負担が増える構造ができてしまった。果た…
最近、道路を走っているとすごく思うことですが、高齢者の道路交通マナーがすこぶる悪い。若者が自分の能力と安全とのバランスをわきまえて行うマナーの悪さとは全く異なる次元のマナーの悪さです。とにかく見ていて危なっかしい。 皆さんも街でよく見かけて…
7600→7800→8300人への増員ですが、具体的にどの大学に何人割振るのかというのが問題です。少なくともうちは一学年115人(現在学士入れて100人)ぐらいまでなら学生をギュウギュウ詰めにして押し込むことも出来ますが、それ以上は無理でしょう。先日も指摘し…
最近、「24」シリーズにはまっているのですが、今日は私にとっては正直、最も長かったのではないかと思った一日でした。でも他の人はなんであんまり質問しなかったのだろうなぁ・・・質問するメンバー固定化してたし。もう少し僕の出番がなかったほうがいい…
最近、授業で聞いたことなどからいろいろ考えることが多いのですが、そもそも医療って何のためにあるんでしょうね? かつては結核などの感染症で若い人から年寄りまでが次々と倒れていった時代。医療は長生きをするため、若い人が病気をせずに働けるために存…
歳出削減に関して自民党内でも揉めているようですが、私は歳出削減については賛同するにも異論を唱えるにも慎重である必要があると思います。多くの人々は社会保障だけが増やせると思っているようですが、地方では社会保障よりも公共事業というようなところ…
某教授と話していて聞いた話なんですが、例年の経験からして女子が前の方に座る学年は優秀な学年が多いのだそうです。女子が前で真面目に授業を受けて勉強していると、後ろの男子もプライドからか勉強するのだとか。うちの学年は女子がどちらかというと後ろ…
神戸の高度医療に100億円投資へ アブダビ政府系 投資無くして成長なし、の時代ですが、100億円はすごいですね。神戸が先進医療の中心地となる日も遠くはないでしょう。医療崩壊云々はありますが、やはり医療は成長産業ですね。一方で、私が受験1年前に逃…
ネットに映し出された現実・希望を失った若者の苦悩 ネット私刑論などネット社会学で有名な藤代氏の興味深い記事。現代の社会問題を考える上で特に重要な部分を抜書きしてみました。 皆が貧乏で苦しかったけれど、明日になったら少しは良くなると信じられた…
アエラの記事を読んでいたのですが、ようやくバッシングブームから目が覚めたのか、後期高齢者医療制度に肯定的な意見が出てきました。 後期高齢者医療制度を廃止すると現役世代は損をする、という内容の記事で、アンケート調査の結果、20代〜40代では後期高…
絶望映す身勝手な「テロ」 秋葉原事件で東浩紀氏寄稿 動物化するポストモダンで有名な、東氏の社会学的分析を踏まえた寄稿。非正規雇用の増加、若者の職業の不安定化と不安の増大。こんな悲惨な事件までもが発生する現代に、金持ちの高齢者から保険料を取ら…
m3comの医師増員の記事から 問題は、各大学がどの程度、定員増を図るかだ。「新医師確保総合対策」と「緊急医師確保対策」では、2008年度は全体で約400人の定員増が可能であっても、実際には168人しか定員が増えていない。これらの対策の対象は、公立大学と…
中川氏が消費税を増税するよりタバコ増税をすべきだと主張したのに対して、Yahooなんかが意識調査をしているようです。肯定的な見方が半分ぐらいある一方で、大した税収にはならないという声や愛煙家をバカにしているといった意見もありますね。私は医学生と…
今日は水曜日に届いた新型プリンタの設置作業をしていました。Canonの複合機で、ADFの機能がついているプリンタです。現在使っているCanonのプリンタに比べると2倍ぐらい巨大でビックリしてしまいました。複合機はサイズが大きいですね。前のプリンタは6年以…
霞ヶ関タクシー問題。ビールなどの物品提供はサービスの一環として一般のタクシー会社でもやっているところは多くありますし(雨の日は傘をプレゼントとか)、疲れているときに「お疲れ様」といって冷たい飲み物を渡してくれたら、誰だって喜んで受け取って…
野党が後期高齢者医療制度廃止法案なるものを参院で可決したようですが、衆院では可決されないのでまったくもって無意味ですね。少子高齢化が年々進展する中で、高齢化率が低かった時代を前提としている老健制度にもどして何の利益があるのでしょうか。 さて…
医師不足が全国的な問題になって1年近くになりますが、私の医師数に対する立場は去年からあまり変わっていません。医師は確かにOECD基準から見ても足りない。医師の過労死が相次いでいます。先日、公衆衛生の講義で「自分は何歳で何で死ぬと思うか?」という…
医療崩壊では私も含めいろいろな立場、考え方の人が色々なことを言っています。その議論を見る上で注意しないといけないことは 議論の参加者にはそれぞれの立場がある 議論の参加者にはそれぞれ価値観がある 「絶対」「当然」という言葉には要注意 ってこと…
「官僚は現場知らない」 橋下知事、中央省庁を痛烈批判 橋下知事が「国が考えていることは全然、都道府県のためになっていない」と指摘しています。 ある意味、当たり前のことで国と地方は昔から仲が悪いのです。国は地方に対して権限こそ委譲・委任しますが…
地震関連で危機管理関連の本をいろいろ読んだり、論文を調べたりしているのですが、いろいろな専門家が共通にして口にしているのが、日本人の「恥の文化」の悪影響です。危機対応時を含め、何かの失敗を「恥」や「身から出たさび」として捉え、周りの人間も…
若い医学生や国民の間では、かなりの割合で混合診療の一部解禁を求める声が強まっている(第三者的なNPOの調査では国民の8割が混合診療を認めてもいいと考えているようです)という話を何度かしてきました。 混合診療の最大のメリットとしては海外では行われ…
「環境重視」と安全、両立難しい 予防接種、副作用恐れ「はしか輸出国」に 日経PlusのIDを持っている方はどうぞ。 上の記事を要約すると、「安全と環境問題は完全には両立できない。環境を重視して規制をかけると、従来安全のために行われていたことが出来な…