The longest day of my life

最近、「24」シリーズにはまっているのですが、今日は私にとっては正直、最も長かったのではないかと思った一日でした。

でも他の人はなんであんまり質問しなかったのだろうなぁ・・・質問するメンバー固定化してたし。もう少し僕の出番がなかったほうがいいと思うのですが。それはさておき。

救急医療崩壊を担当した班の発表の座長をしたついでに、「将来、救急医療に携わりたいと思っている人いらっしゃいますか?」と教室に聞いたみたのですが、手を挙げた人は誰もいませんでした(実際には何らかの形で携わることが多いのだが)。これが現実なんだなぁと思って、見ていたのですが。まぁ、恥ずかしくて手が挙げられなかったとか、ポリクリで考えが変わる人もいるでしょうが、それにしても救急医療はこの調子だと崩壊する運命にあるのは確実な気がします。

食の安全に関する班では、質問の際に重大な問題を取り上げさせていただきました。すなわち、グローバリゼーションの進み輸入・逆輸入製品が氾濫するようになった社会においては、製品やサービスの安全性については他国の主権の問題から、国家はかつてのような一律的な規制を行いにくくなっており(国内は規制できたとしても、外国で何が行われ、何が混入されているかは知る由もない)、結局は各企業がリスク情報をきちんと公開した上で、最終的には消費者が自己責任で製品やサービスの安全性を吟味してもらうしかないようになってきているのだということです。
グローバル化した社会では国はもう国民生活の安全を守ってはくれない。各自が自己責任で選択をしていく時代が訪れたのだ」ということを誰かが声をあげて、勘違いしている国民に気付かせる必要があるのですが、政治的な理由でそれがなかなか出来ずに、さらに犠牲者を出しているのは本当に皮肉としかいいようがありません。

後期高齢者医療制度のの班は私の意図通り、多くの人に意見を出して討論していただきました。我々の間では後期高齢者医療制度に対しては趣旨には賛成する人が圧倒的多数でした。やはり年寄りにはちゃんと自分の分ぐらい負担してくれと、そういう声が多かったですね。

最後の方は疲れて結構トンチンカンな質問をしていたような気がしますが・・・。

ちなみに「森永」事件を出したときに先生からは「森永砒素ミルク事件」と勘違いされたのですが、実は「グリコ森永事件」のつもりで言ったというのはさておき。世代の違いでしょうか・・・。どちらにしても僕らは生まれてなかったわけですが。

本当はすべてのテーマに対して、もっと討論したかったのですが、なかなか時間的にも厳しいものがありました。でも、少なからずの人が医療制度改革や、医療医学を取り巻く社会の大きな流れの影響というものに興味を持ったのではないかな、と楽観的に見ています。一部には「そんなんええから早く終わって」という人もいたでしょうけれどもね。

一つ残念だったのは、先生も指摘していましたが、「行政の失態」について「対応がまずかった」と言うだけで、具体的にどこが問題なのか、果たしてその時に解決しうる問題だったのか、後だしじゃんけんになっていないか、ということにちゃんとした検証が加えられていない班が少なからずあったということです(もちろんちゃんとしている班もありましたが)。まぁ公務員バッシングのご時勢ですから、なんでもかんでも「行政の失政」にして済ましてしまう風潮は分からなくもないですが、マスコミに躍らされているそこらの愚民と同じことを言っていたのでは、何の進歩もありませんし、解決もしないことは確かでしょう。我々はどちらかというと、行政とともに健康安全上の問題に対して解決の道を進まねばならない側の人間なのですから、指摘すべきところは冷静に指摘し、評価すべきところは評価し、感情的で無意味な批判は抑える義務があります。

今回の発表会はよく考えれば10班中8班がリスクマネジメントや安全管理に関係するテーマを選んでいるわけで、現代がいかにリスク社会、あるいはリスクを意識した社会であるかということがよく分かります。具体的には鳥インフル、温暖化による感染症アウトブレーク、薬害AIDS問題、工事現場の労働安全、災害医療、救急医療、食の安全、薬害C型肝炎などが発表テーマでした。おなじみのハインリッヒの法則も出てきましたし、リスクアセスメントやリスクコミュニケーションの話も出てきました。リスクマネジメントの重要性を再認識させられた次第です。

最後に精力的に調査をしてくれたうちの班の皆さんに感謝して今日のエントリーとしたいと思います。