CBTの意外なる影響

先日、部室に事務の方が避難経路の調査にいらしたので、「うちの大学ではどのくらい定員を増やせそうですか?15人ぐらいですか」と聞いてみました。「文科省が定員増加に伴って教員定員を増やしてくれるなら、地域枠に限って増やすことは考えているが、5人ぐらいが限度ではないか」という回答が返って来ました。教室の大きさから考えれば15人ぐらいは増やせるのですが、やはり先日私が指摘したように留年者が学年によって大きく異なること、それからCBTのパソコン一斉受験が始まり、受験用のパソコンの台数や教室がこれ以上確保できないことなどがネックになっているようです。CBT・OSCEも思わぬところで影響が出るわけですね。
一方、チュートリで某科の先生がおっしゃっていたこと。「後期研修でうちの医局にはあんまり人が入ってこないんや。おそらく、大病院が自分のところで抱え込んでいるんやろうな」
結局、最近のトレンドは「大学→大病院」ってことなんでしょうね。不足だけでなく、偏在の問題も見過ごせないわけですが。確かにナショナルセンターとか、かなり大規模な病院になると医師不足を感じさせないぐらい医師がいたりするわけですが・・・。そしていつまでも下っ端でやりたいことも出来ず、嫌になって集団で辞めていく・・・・医師の集団退職の中にはそういうものも含まれているということは特記しておく必要があるかもしれません。それがためか、一部の地域では面倒見のよい中小病院や地域ぐるみで面倒を見てくれる田舎の病院への研修医の回帰という例もあるようです。それが全国的な傾向になるかどうかは現時点では分かりませんが。
ちなみに救急や夜間休日の時間外診療は、医師を増員したところでトンデモ判決が覆らない限り崩壊は止められないのでは、というのが私が感じていることです。うちの学年の学生でも、あえて救急やってみたいなんて言う人は誰一人もいなかったのですから。0%がやりたいとおもっているところに分母を増やしたところで、分子は0のままです。