タクシー問題は野党の責任が大きい

霞ヶ関タクシー問題。ビールなどの物品提供はサービスの一環として一般のタクシー会社でもやっているところは多くありますし(雨の日は傘をプレゼントとか)、疲れているときに「お疲れ様」といって冷たい飲み物を渡してくれたら、誰だって喜んで受け取ってしまうものだと思いますが、金券や現金のキックバックとなるとさすがに論外ですね。公務員の倫理がなってないと言わざるを得ません。しかし、それはそれとして、町村官房長官が会見で指摘したように「なぜそもそも残業がそんなに多いのか」という根本的な問題を考えたときに浮かび上がるのは、環境問題を全く考えないバカな野党の存在です。
そもそも霞ヶ関で残業が多い理由は、国会会期中に国会対応と呼ばれる業務があるからといわれています。野党議員が質問に立ち、担当大臣が答える。テレビの国会中継ではおなじみの光景ですが、その場で議員が質問内容を考えて質問しているわけではありません。突然細かな内容を質問されても、答弁や議論に必要な細かいデータはすぐには用意できないからです。そこで、国会質疑では質問を行う議員は前日に質問内容や要旨メモをあらかじめ各省庁の担当者に渡しておき、「明日はこんなこと質問するで〜」ということを政府に伝えます。各省庁ではこれをもとに資料を調べ、答弁書を作り、当日の朝に担当大臣に「こう答えてください」と説明しておきます。担当大臣はその場の議論の流れなども加味しながら、基本的には答弁書に沿って答弁を行うのです。ある意味、当然のことといえば当然のことです。
で、これが残業と何の関係があるかということですが、議員の質問する範囲は多岐にわたるため、国会会期中は国会での質疑に備えて、質問に関連しそうな課の担当職員は質問メモが回ってくるまではずっと待機させられているのです。議員が夕方までにメモを回してこれば、関係のない課の職員は無駄な待機をすることもなく電車で早く帰って家族と過ごすことができます。自民党の議員にはこのように良識的な人が多い。しかし、野党の議員は官僚が待機していることを知ってか知らずか、メモを夜になるまでまわしてきません。それまで各省庁の担当者は自分の仕事が終わっていても待機をさせられます。その間、蛍光灯はつきっぱなし、夏や冬は空調も回しっぱなしです。自分の課が関係ないということが分かって帰れるのは終電間際。下手すれば午前零時ごろ。なんというムダでしょうか。これぞ環境破壊としかいいようがありません。しかもこのムダを作り出しているのはこともあろうに、官僚ではなく野党です。これで官僚に一矢報いたとでも思っているのでしょうか。国民の税金からタクシー代と光熱費がムダに消費されているだけだというのに。官僚側も1、2時間分しか残業代が出ないのに、無駄に深夜まで待機しているなんて割に合わないでしょう。
官僚や政治家の方が書いているブログなどを読む限り、だいたい前日の午前中に質問を出してくれれば深夜まで残業しなくても答弁書が作れるそうで、与党の議員さんはこの時間に間に合うように努力されている方が多いみたいですね。原油の価格が高騰している昨今、何事も省エネに事を進めていかねばなりません。こういうムダは議員側の良識ある配慮で解決できる問題です。後期高齢者老健に戻せとか、本当にこのごろの野党は何を考えているのかと最近強く思います。

もしかしたら、ホワイトカラーエグゼンプションもこうやって、サービス残業ばかりさせられている官僚が公務員バッシングの復讐として導入しようとしているのかもしれませんね。そう思いたくなるほど官僚の深夜業務は多いですし、残業代もほとんど出ない(月200時間残業しても5万円ぐらいとか)という実態があるのです。