官僚の癒着

官僚の癒着問題がたびたび問題になりますが、省内では事件が発覚する前からある程度やばそうな人はめぼしがついているといいます。官僚の給料は低いにも関わらずお隣の銀座で毎日豪遊しているような人は要注意だそうです。最近は公費での接待というのはかなり厳しくなっていますので、そういう場合、外部から豪遊の資金が必要なわけで、それが癒着からの資金だったりするのです。特に危険なのがかなり裕福な家庭に生まれ、カネの使い方が非常に荒い人が官僚になるとそういう方面に走りやすいのだとか。上級国家公務員の給料は同学歴の人間に比べると相当低いですからね。

あと、指定職(個室や公用車がある幹部)になってくると普段の業務は、外部への講演やレクなどが多くなり政策立案業務から外れてくるので、基本的に政策よりは人事や情報、局内バランスに気を配るようになります。局長ぐらいになるとあまり普段意見をいうことはない。でも、たまに局内で強い発言をすることがあって(外部の発言はあまり影響しないと思う。マスコミのフィルターは大抵の官僚は不快に思っていますし、信用してませんので)それは局内では相当の影響を持ちます。

まぁ、癒着が起こる官僚というのは正直、一部であることは確かです。マスコミは医療ミスの報道のときと同様に、すべての官僚が癒着しているような印象を与える報道を行いますが、実際はそんなことはありません。医学生でもそういうマスコミの受売りを平気で語る人も多いのですが・・・。統計的に一定割合の人が変な方向に走るのと同様、官僚の中にも一定割合で金に目がくらむ人がいて、そういう人が癒着事件を起こしている、というのが真相です。最近のマスコミは無茶苦茶な帰納・演繹をするので、本当の姿が見えてこないんですよね。

実際には、一般官僚の癒着防止の機構は一般企業よりはるかに厳しいです。2、3年で多くの人は部署変えになってしまうのです。それゆえに別の問題も起こってくるのですが・・・。ちなみに課長以上になってくると癒着防止が難しくなってくるんですけど・・・。どうしても目立ってしまう人ですからね。個人的付き合いがいつの間にか官民の癒着になっていたりすることがあるようです。

ちなみに地方公務員のことはよく分からないので今回は触れません。

ちなみに実際には公務員より大学教授や医師の不透明な金品の受け取りの方が多く、また公私混同の意識も低いという現実があって、こっちの方が問題じゃないかと思ったりもするんですがね。
でも、こういうちょっとした金品の授受(あるいは天下り等)による差額調整というのが割に合わない仕事に優秀な人をひきつけてきた、という裏の側面もあるので、果たしてこういうことをゼロにしていくことが全体的な国益としてかなっているかということには疑問を感じるところです。クリーンな行政や仕事が求められていると言いますが、きれい過ぎる川に魚は棲めませんからね。個人的には、そういう金品の授受は禁止するのではなく全てを公開するようにして、一定額を超えたり毎年同じところから多額の贈答があったりすると処分するという方向がいいのではないかと思います。政治資金規制法のように。

まぁ、そう指摘してもシステム全体が見れない人は「金品授受、贈答は一切なくせ」みたいなことを言い出すのかなぁと思いますが・・・なんかそういう人や議論を見ると馬鹿馬鹿しくなりますね。本当はこういうのは程度問題なのにね。