ブログに対するコメントの仕方

いろいろ検索にひっかかるブログを見ていると、ここ2年ほどの一部ネット医師の行動が目に余ります。

私みたいに医学生や医療関係者のブログでいくら批判なり、訂正要求なりそんなものをしていただいても私は結構ですし、まぁ、「あっそう。だから?」と思うところは流せますが、一般人のブログにまで乱入して「訂正しろ」だの「謝罪しろ」だのギャアギャアわめくことが果たして自分たちの利益になっているのか甚だ疑問に思います。

そもそもブログは日記です。私もそうですが、自分が普段の生活で感じたこと、考えたことを書く場にしている人も多い。いわゆる脳内メモ帳です。それを純粋な活動的意見発信と捉え、相手方が望みもしないような乱入の仕方をして、炎上さながらの状態にさせて、ブログ主を怒らせてしまうような行為を見ていると、本当に腹が立つというのを通り越してバカバカしくなるほどです。

そもそも、こういう話題にクビを突っ込んでくれる一般人というのは、医療に興味を持ってくれている、どちらかというと不満はあるけれども最終的には医師の味方になってくれるような人々です。普通の人は興味すら持ちませんからね。そういう人に向かって集中砲火を浴びせて、怒らせて、一体何を考えているんでしょうか。味方を殺して新たに敵を作りたいんですか?医師のイメージをさらに低下させたいんですか?

あんたらはええかもしれんけど、将来医師になる私らからすれば、なにをしてくれてんねん、のレベルですね。

そういえば、モトケンブログでも、せっかく医師の味方になってくれてコミュニティまで作ってくれたモトケンさんを、一部の医師が完全に怒らしてしまいました。弁護士の中でもここまで味方になってくれた人はそうはいないだろうに。

そりゃね、m3comとか自分のブログの中でそういう人々を批判されるのは結構ですし、別にそれについてとやかく言うつもりはありません。m3は医師専用なのだし、自分のブログはあくまで自分の脳内メモ帳なんですからね。好き勝手なことを言えばいいでしょう。ただ、他人の脳内メモ帳にまで望まざる形で(しかも大抵集団で)乱入するのはやめていただきたい。

そもそもブログは脳内メモ帳なんだから、偏見なり、マスコミの受売りなんかが存在するのは当然なんです。医師とて医療業界のことは実状をよく分かっているかもしれないけれども、他の業種に関してはマスコミの受売り的な考えの人はいっぱいいます。一般人の彼らだって、普通はそうでしょう。医療を提供する側の実状を多少なりとも知っている人なんてそう多くはない。だから、「医師には良心がない」、とか「儲けすぎである」とか書くわけじゃないですか。でもそれはその人が悪いんじゃなくて、社会全体に(主にマスコミの影響ですが)そういう偏見が常識として通っているゆえに、ある意味やむを得ないことなのです。それに対して、業界というのは真実の情報をdiscloseして、その偏見が間違っているのではないだろうか?ということを、ちょっとずつ提示していく、それによって初めて相互理解というものが進むのです。

その丁寧に対処しなければならない過程を通り越して、突然、他人のブログに乱入して「訂正しろ」だの「謝罪しろ」だの言って相互理解が進むわけがない。せめて、「実はね、これこれこういう実状があるんですよ。今まで思われていたこととは少し違うでしょう?」という形にしなければ誰だって理解は示してくれません(それでも理解を示してくれないときも多いし、それも確率的な問題なので仕方のないことです)。そもそもブログというのはブログ主が一国一城の主の仕組みです。その国の中では城主には最低限の敬意を示さなければなりません。城主のいないm3comや2chとは違うんですよ。

そりゃ崩壊を目前にして焦る気は分からないわけではない。でも、たとえ崩壊したからといって医療が完全になくなるわけじゃない。質(=いわゆる質+アクセス)は落ちるかもしれないけれども。むしろ、崩壊後にそういう医療に興味を持っていてくれている人と協力して、失敗を踏まえながら新しく医療を作っていけばいいのです。その協力者を不快にさせ、敵にまでしかねないようなことをして一体何がしたいんでしょうか。

一部のネット医師の行動には本当に見ていて腹が立ちます。あくまで一部ですが。

でもそういう私も、もし医療ブログに疑問を持たなかったら、そういうことにも気付かなかったかもしれません。今から考えるとおそろしいなぁ。

まぁ、こういうことを書くと、この下が恐ろしいことになるのは目に見えてますが、それがおそろしくなればなるほど、結局はこの指摘が正しいということを裏付けることにもなるでしょうね。(とあらかじめ牽制しておきます。2日後ぐらいにどうなってるか楽しみにしています。その結果によってこのブログの方針も変えるつもりです。それでは。)