進歩

混合診療、全面解禁見送り 現行制度の実効性アップ
いきなり全面解禁というのは制度設計上も世論の合意という点でも絶対無理なわけで、最終的にはこういう形になるだろうとは予想していましたが、実効性がアップということで進歩したんじゃないでしょうか。特に未承認の医薬品・医療機器の使用が原則として認められるということは、後がないがん患者には大きな希望になるでしょう。課長通達の廃止が明確にされたことは大きな一歩だと感じます。一定のルールというのが今後どの程度になるのかという問題は出てくるとは思いますが、おそらく治験との関係性なども踏まえて、議論されることになると思います。

規制改革会議側もホンネはどうか知りませんが、会議の議事録・答申を見ても全体像としておかしいと思うものは感じませんし、舛添大臣いわく「皆保険自体は維持する方向では一致している」とのことですから、特に心配する必要はないでしょう。まぁ、「かけひき」という言葉に代表されるように、抵抗が強い場合というのは、多少過激に改革を進めないと理想のポイントまでは到達しない場合が多いですから、規制会議側が全面解禁というセンセーショナルな方針を打ち出すのは致し方のないことだとは思いますし、結局はどこか両者の真ん中の地点で決着するということが今回の合意でもちゃんと証明されたわけで、心配は無用ということです。

今回の制度改革を機にさらに医療がその根本的使命を維持しながら、産業としても発展することを期待します。特に医工連携やバイオ分野といった周辺産業の発展と技術革新が進むことを強く期待しています。