大阪は核武装します

大阪府知事選、橋下が当選してしまいました。残念極まりない。ただ、予測された結果でもありました。

まず、出口調査の結果、橋下に関しては次のことが言えると思います。

  • 女性に人気があった
  • 20代、30代に圧倒的に人気があった
  • 60代以上でも人気が高かった
  • 公明支持層は95%以上橋下に入れていた
  • 民主支持層でも橋下に20%ぐらい入れていた
  • 無党派層はかなり橋下に入れた

まず、投票所に行って私が感じたのは、これは橋下が勝つだろうなということです。その理由は投票所に来ていたのが40代〜70代のおばちゃんばっかりだったということです。この層は「みのもんた細木数子橋下徹」が大好きです。いわゆるテレビに年がら年中出ているズバッと系キャラです。この世代の女性にはなぜかこういうキャラはうけますし、主婦層だからテレビばかり見ています。橋下の宣伝効果は抜群です。

20代、30代は一般的に若手に投票する傾向があります。世代が近いというのもありますが、団塊の世代などがバブルなどでも好き放題した結果が今の若者のつらさにつながっているのだという思いが強いからです。

さらにまずいことに、橋下がブログを更新していたのに対し、熊谷氏は公示直前までホームページを立ち上げていませんでした。立候補が騒がれはじめた段階である程度ちゃんとしたホームページを立ち上げておかねば、インターネットを愛用し、一時的なブームで過熱するネット世代に政策を訴えかけることは出来ません。熊谷氏の情報はwikipediaの情報と大阪大学のホームページだけ。ヒゲの熊谷教授の写真を見て好感を抱く人は少なかったと思います。僕は1月初頭に民主党大阪府連のホームページまで行きましたが、それでもビジョンや考えといった情報を得ることはできませんでした。まさに民主党のメディア戦略不足としかいいようがないです。

熊谷氏が無所属で出馬したことも影響があると思います。投票所の候補者一覧は無所属ばかり。民主党候補って誰やったかな?忘れたから、知っている橋下にしようという人も多かったはずです。

今回の選挙は自民が勝ったというよりは、私はメディアの勝利だったのではないかと考えています。政策的にはどちらが優れていといえるほどのものはありません。子育ては20、30代を固めるのに役立ったと思いますが、大阪を元気にしたいという熊谷氏の訴えにも正味、元気が好きな大阪人誰もが共感するところでしょう。政策的には互角だと思っています。最終的に勝敗を分けたのは、橋下が毎日のようにテレビに出ていたタレントだったということ、そして、熊谷氏の知名度の低さ、メディア戦略の失敗と考えます。

先日投票が行われ、太田氏の失脚の原因ともなった大阪市長選では、民主の平松氏が勝ちました。元NHKアナウンサーで有権者の大半が知っていたのです。大阪ではかつてお笑い芸人の横山ノックが府知事になりました。いずれもメディアへの露出が多かった人間が勝利しています。今回の選挙でも大手メディアは公平に報道をしていましたが、タブロイド誌や雑誌は橋下ばかり取り上げていました。

やっぱりマスコミは強いのです。マスコミがすべてを決める時代になってきました。「マスコミを征するものは日本を征する」今回の選挙から我々はそのことを認識せねばなりません。
今回の選挙はある一つの示唆を与えます。すなわち、マスコミを征すれば勝てるのです。マスコミを征するには視聴率を上げる何かを提供するか、株主になって圧力をかけるかのどちらかです。視聴率を上げる何かを提供するのは難しいですが、株主になるのはカネさえあれば簡単にできます。そこから先は言いません。そういうことです。