アメリカ大統領選の討論番組

日経CNBCジョン・マケイン上院議員バラク・オバマ上院議員の討論番組(NBCテレビ)をやっていて、思わず見入ってしまったのですが、議論の中身もさることながら、アメリカの討論番組は日本の討論番組と全然違うなというのがfirst impressionでした。
まず、大きく異なる点がコメンテータの構成です。日本の討論番組やワイドショーではたいてい、○○新聞デスクなんてのがコメンテータとして出演し、一方的な発言をすることが多いのですが、向こうでは共和党支持者1人、民主党支持者1人、無党派1人(いずれも比較的有名な人)を中継で継ぎ、候補者のテーマごとの主張に対して、順にコメントしていくという形式が多いようです。もちろん、二項対立的な討論で重要な視点が抜けやすいという指摘もあるでしょうが、自分がどの政党を支持しているかも明らかせず、コメンテータやキャスターが無理に議論を誘導しようとする日本の討論番組と比べて、はるかに有意義な議論ができているなというのが率直な感想でした。
実際、議論の中身を見ても「庶民は増税でどうのこうの」とか、日本の討論番組ありがちな表面的な議論にとどまらず、両候補ともグローバル社会の中でアメリカが今後どういう役割を果たしていくべきか、今のアメリカに何が必要で、何を我慢しなければならないか、結果としてどういう政策が必要なのかについて明確に語っていました。3人のコメンテータにしても、各候補の主張に肉付けをするような形でコメントが行われ、さらにコメンテータ(支持者)同士の議論が繰り広げられ、コメンテータとしての役割をきちんと果たしていました。
正直、私が長年日本で聞きたいなと思っていた形式・内容の討論番組がアメリカでは普通に行われている、ということを知って少しショックでしたね。