日本の治安は悪化している 〜もう一つの「殺し」〜

警察庁法務省の統計データを見ても殺人事件はこのところ減少傾向にあり、一見すると日本の治安は改善したように見えます。しかし、実は日本の治安は悪化しているのです。それは殺人統計にもう一つの「殺し」のデータを足し算してみれば分かります。



データは警察庁の犯罪統計と厚生労働省の人口動態統計を用いています。(なお、殺人には未遂も含まれていることに注意)

実際にグラフを作ってみて驚いたのですが、自殺に比べて殺人の少ないこと少ないこと。というか、むしろ自殺が多すぎです。日本人の年間自殺者数は3万人。これは覚えておいて決して損はない数字です。年間の死亡者数が110万人であることを勘案すると、3%ぐらいは自殺ということです。

自殺と他殺を一緒にしてどないすんねん!という突っこみもあるでしょうが、自殺も他殺も攻撃性が人間に向き、その目的を果たしたという点では本質的に同じです。攻撃性が内部に向くか、外部に向くか、ただそれだけの違いです。

したがって自分の中にある攻撃性を実行に移す人の増減を以て治安を語るとすれば、日本の治安は確実に悪化しています。