患者、遺族を攻撃する「医師限定サイト」の暴走 週刊朝日
遺族に言われるならともかく、マスコミにタミフル問題をとやかく言われる筋合いはありません。あの問題はまだ未解決であって、関係について現時点で言えることは何もない。せいぜい、関係がないという統計学エビデンスが存在した、という程度。安易な想像で勝手に医学という人の生死に関わる分野の事実をでっち上げる段階で記者失格。この記者は科学の基本を勉強したことがあるのか?
だいたい、昨今の記者は両方とも精通していないのに倫理の問題と科学の問題をごちゃまぜにして、あたかも倫理的なことから科学的(に見える)ことを無理やり導き出そうとする例が非常に多い。江原啓之と全くおなじようなことをしているわけです。これらはきちんと分けて考える、すくなくとも科学的でない推論にはそういう注釈をつけるとか、断定を避けるとかということをするのが当然であって、まさしく
マスコミ社会がこうしたでっちあげを許さないことが、マスコミ不信を払拭する早道になるはずだ。
ということです。

あと、これは一般論ですが妊娠・出産は子供にとってはもちろんこと、母体にとってのリスクも極めて高いということは常識です。性交渉や妊娠を安易に考えないで欲しいというのは常々思います。実際に、発展途上国ではかなりの数の女性が妊娠や出産で死亡しています。先進国でも、まず最初に新生児死亡率がガクッと下がり、その後数十年もしてようやく妊婦の死亡数が減少してきました。それだけ医学が発展しても妊婦の死亡を減らすのは難しいということを如実に現すデータです。ドラマERでも妊婦が死亡する場面はしょっちゅう出てきます。医療の本質を理解してもらうためにはERをゴールデンタイムのNHKで流してもらう以外ないのかもしれません。