最期の叫び

今日の生理学実習は直前まで生きていた食用ガエルの眼球を取り出して、網膜の電位変化を見るという実験でした。しかしながら、麻酔をかけるとデータが変わってしまうので、実験の直前にカエルは麻酔無しで断頭という手法により安楽死させます。

位置的にはこの場所で上顎を断頭し、脳と脊髄を分けるのですが暫くカエルはジタバタします。そこで、体側の脊髄をピンセットでつぶして息の根をとめます。で、最近は動物実験に対する規制が厳しくなっているので、この断頭作業は今年から先生がやることになっています。まずは、断頭。カエルの口に比較的大き目のはさみを差込、一気にザックリ半分ぐらいまで断頭します。

予め実習のビデオがあって、そのときはカエルはなぜかおとなしく断頭されていました。だから大丈夫だろうと安心していたのです。ところが、目の前のカエルは三匹の中で最初の一匹を断頭するときに恐ろしいことになりました。
ザクッ・・・(骨が折れて脊髄を切断する音)
ク、クヮ〜、クワーー
そのカエルは大きな声で最期の最期の叫びをあげたのです。最初は誰がいたずらでそんな声を出したのか?と思ったほど教室に響き渡るような音でした。カエルが壮絶な最期を遂げました。
教室にいた同じグループの人はみんなアゼンとしていました。なんという残酷なことをしているのだろう・・・。そういう思いだと思います。正直、僕もあの声がいまも頭の中で渦巻いています。カエルが夢に出てきそうです。
鳴き声が終わっても手足はバタバタさせています。先生がすかさず、ピンセットで脊髄を強くはさんで、3秒ほどで動きは止まりました。2匹目は鳴きませんでしたが、カットしても舌とかがかなり激しく動いていました。僕は二匹目の頭を貰い、ハサミで周りの筋肉を取って眼球を取り出しました。

人のため 学ぶためとは 言いけれど 最期にさけぶ カエルむなしき