奈良事件・・・遺族へのメッセージ

なんかアレ以降アクセス数が猛烈に増えています。なお、5/30日の日記に載せたyoutubeの動画は削除されてしまっていて、見ることができなくなっているようです。ダウンロードしておけばよかったな・・・関西地域メインということもあって、医療ブログでもあの番組はあまり取り上げられなかったですからね。

ストーリーはうろ覚えですが、僕が強く覚えていることを書き連ねると

  • 遺族は医者が搬送手配の電話を看護師or職員(?)に行ってもらっている間、仮眠していたことに一番腹を立てている
  • 陣痛のビデオや夫が昏睡状態の妻の前で泣きながら呼びかけている場面が多く写されていた
  • 今回の事件に巻き込まれた産科医は大昔にこの夫を取り上げていたため、夫は事件前はこの医師を全面的に信頼していた
  • 記者は密着取材を続けていて、車で大淀病院を通り過ぎる夫の様子をカメラで写していた
  • 夫はセコムに勤めている(セコム的に緊急事態で寝るのは論外と言いたげ。でもセコムは交代制がきちっとしていると思うが)
  • 夫の中にはまだ訴えることへの迷いも見られた(両親に同調を求めていたり、自分自身でも迷いを吐露したり)
  • 例の会で発言する様子もあった

愛するものを失った遺族の気持ちはよく分かりますが、もし本当に「妻の死をムダにしたくない」という思いだけで訴訟を起こすのならば、もっと状況を俯瞰的に冷静に判断して行動すべきだと思います。これは批判というよりはアドバイスです。
柔道には(私の出身中高の校是でもありますが)精力善用という言葉があります。一部の間ではこの言葉は誤解されていて「力は良いことに使え」と訳されていますが、本当は「力を効率よく使え」という意味です。この遺族の持つパワーには私は大きなものを感じます。このパワーが正しく、効率よく使われれば多くの医療関係者を動かすだけの力があります。しかし、使い方を間違えるとパワーだけがムダに消費され、下手すれば医療関係者の反感だけを買うだけになります。私は遺族のためを思って指摘します。いま、あなた方がやっていることは、パワーの無駄遣いであると。少なくともあなた方の行動はあなた方が望む方向とは逆の方向に社会を動かしてしまっているのだと。

それにあなた方が気付いて行動を修正したとき、医療関係者はきっとあなた方の味方になるでしょう。