医局回帰?

先日、OBを迎えるパーティで学部長と20分ほど議論する機会があったのですが、「やはり医師の派遣機能は大学にしか担えない」とおっしゃっていました。確かにマグネットホスピタルなどの政策はありますが、国病構ですら医師が不足している状況なので、現実的には難しい。最後はやっぱり組織としてある程度まとまりがある医局なのかもしれないというのは私も思うところです。ただ、かつての医局をそのまま復活させることは研修医にとっても嫌でしょうし、国民からはまた封建的な体質に戻ったという批判をうけかねません。いかにして大学医局を透明化し、医師にとって魅力的にしていくか、また地域密着型にしていくかというのは今後、各地方で知恵が絞られることになるでしょう。逆に言えば、その努力を怠った大学、県には今より深刻な医師不足が訪れうるということでもあるのですが。

ちなみに、今年の学祭の学部長挨拶はタイトルが「医療構造改革のうねりの中で」・・・・
全然学祭に関係ないやん、という突っ込みは非常に入れたいところなのですが、まぁ県などと地域医療の構築に腐心、苦労されている様子が伺えます。

ちなみに来年のシンポジウムは、医療制度関連にしようかとうちの学年では話しています。

もっとも、すべての人が医療崩壊を認識しているわけではなくて(うちの学年で医療崩壊ネタをことあるごとに宣伝しているのは僕なのですが)、先日、普段あまり話さない同級生に「全国的に医師不足が問題になっている」ということを僕が話すと、「不足じゃなくて偏在に決まっているやん」とか言われてこちらも拍子抜けてしまいました。一応、厚労省は「偏在」だといっていて、現場の医師は「不足」だといっていて、僕は「不足と偏在の両方が存在していて、短期的には偏在の解決が重要だ」と考えているということは説明しておいたのですが。