負の側面には興味がない人もいる

講義に登場するいろんな先生方にあつかまし医療崩壊の話をふっかけているのですが、そういう話題を知らないという方は随分少ないように思えます。一方で、話は知っているが、ほとんど興味がない方も結構おられるようです。その先生方に共通していえるのは

  • 比較的、業績がうまくいっている人はそういう話題をどうでもいいと思っている傾向が強い

ということです。

最近、「データと現場の解離」が経営の一番のテーマではないかと思っています。何事でもそうですが、本当の真実というのは大抵、現場とデータの間にあるのだろうと思っています。現場が全て正しいというわけでもないし、データが全て正しいというわけでもない。ある意味、当たり前のことなんですが。

では何故に真実に比べて現場やデータが解離するのか・・・・
データが真実と解離する理由は簡単で、補足率が100%でなかったり、得られた生データが正確だとは限らないからです。場合によっては解析手法に問題がある場合もあります。
じゃあ、現場と真実が解離する理由は何か。それは上のようなことが往々にしてあるからだと考えられます。現場は現場で感覚的な情報を諸所から集めることが出来ますが、その問題に関心がない人の感覚はどうしても抜け落ちてしまいます。場合によっては感覚的な情報ですから、自分の脳内で知らずとフィルターをかけてしまっている可能性もあります。

結局、真実といえるものは簡単にはつかめないものなのです。その中で物事を進めるためには決定をしていかなければならないのですから、決定にはある程度の間違いは許容されなければなりません。間違いを繰り返しながら常に前進して模索していくしか、正しい道を選ぶことは出来ない。場合によっては重大な結果を招くときもあります。でもそうやって人間は進歩してきた。
その決定プロセスに完璧に求める力が働き、またそれを当然と思うようになったときシステムってものは本当の崩壊へ向かうのだろうと思います。