予備校業界にも再編の波

ベネッセ、難関大専門塾の「鉄緑会」を買収
鉄緑は僕自身は通ったことはありませんが、入塾テストは受けたことがあります。僕の中高では学年の半分ぐらいが行ってたんじゃないでしょうか。とかく膨大な宿題を出すことで有名ですが、中学の頃、中学受験の反動で塾アレルギーだった私にはテキストを見てもなじめませんでした。でも学年の1/3以上は塾に行っていたので、ちょっとコンプレックスというかそういうものはありました。結局、親の引導もあって思考力を重視するSEG系列の塾に2年ほどお世話になりましたが。つめこみとは違って、徹底的に考え、発想させるタイプだったのでなじめましたね。あまり成績は上がりませんでしたが、思考力は随分鍛えられたような気がします(実は大学に入ってからも少し英語でお世話になっていたというか。Penguin booksなど多読用の図書が沢山あって、社会人向けに多読コースというのをやっているのです)。クラブが忙しくなってからは塾には一切行ってなかったのですが、高2から六甲道の小さな塾と西北の数学で有名な塾に行っていました。なんというか中学受験の反動で、大手予備校は嫌いだったんですね。高3の冬に河合に京府医対策として化学の冬期講習を受けに行っただけでした(結局、京府医は受けずじまいでしたが)。

ちなみに予備校・塾業界にも再編の波が訪れています。学研がタートルと資本提携したり、四谷大塚東進ハイスクールが買収したり。関西の中学受験の業界でも、再編というよりは分裂が激しくて僕らが小学生だった頃に比べて勢力図が一変しています。

大昔は浜学園の一人勝ちでしたが、浜から希学園が分裂、互角に争うようになりました。そこに日能研が徐々に勢力を拡大し、馬渕も進出してきましたね。さらに希と浜からFELIXが分裂し、完全に混迷を極めています。さらに浜学園は名古屋へ、希学園は関東へ進出し、勢力拡大を図っているようです。

余談ですが−進学校の実際

あ、ちなみに進学校、特に難関校なら塾に行かなくても思っている方がいたらそれは大間違いです。うちの出身校の場合、むしろ塾に行っていない方が珍しい。学校は基本的に大学同様放ったらかしなので、学校に任せていれば大丈夫と思っているととんでもないことになります。一番悲惨なのは、非常に進度が速い学校の授業についていけず、勉強する気がなくなってさらに成績が悪化するという、悪循環でずるずると落ちこぼれていく人々です。公立校ならある程度そういう生徒にはフォローをしますが、進学校は授業レベルは「それなりに出来る人間」に合わせますし、先生も出来る人間には可愛がってくれますが、出来ない人間には長期休みに補習をする程度で基本冷たくあしらわれます。大学と全く一緒です。従って、進学校で上位として生き残ろうと思えば、誘惑にうつつを抜かさず自学自習をしっかりやるか、クラブと塾を掛け持ちするか、その2つしか道はありません。しかも、この道を立ち止まらず常に走り続ける必要があります。少しでも速度を緩めれば、すぐに成績は落ちてしまいます。それでもなんとか踏みとどまって真ん中で推移すれば幸いですが、一度、落ちこぼれの悪循環に入るとなかなか抜け出せません。10代ってやっぱり遊びたいわけで、大抵の人は2つの道のうち後者を選びます。なので、みんな塾に行くのです。ただし、塾に行けば落ちこぼれを防げるかというとそうでもない、というのがこれまた厳しい面なのですが・・。(ちなみに僕は殆んどの期間、真ん中よりちょっと下ぐらいにいました)

私学に行って、さらに塾に行くと金が腐るほどかかるんじゃないかという指摘もあると思います。全くその通りです。塾に行けば月3〜5万ぐらいはかかります。私学の授業料は、学校によりけりですが大概、国立大の年間授業料と同程度か、それよりも高いといわれています。中には年間150万以上のところもあるとは聞きます。「格差の再生産」といわれれば私は否定しません。ただ、だからといってそれだけで「格差が悪だ」ということにはならないと思います。色々な人を見てきましたが、進学校では家がそこまで裕福でない人はそれなりに勉強熱心です。成績で上位にいる人も多いです。むしろ家が裕福だと、もちろん勉強熱心な人もいますが、裕福ゆえに遊びほうけてしまう人が多いように思います。中産階級はモザイクです。勉強熱心な人から落ちこぼれまで多種多様です。実はこういう進学校に進ませる親というのは大抵、中産階級だったりすることが多いのですが。最終的には本人のやる気や生活態度次第です。両親が高卒でも東大へ行く人は数え切れないほどいますし。「格差の再生産」を議論するならば、おそらくこういう人の話ではなく、中卒で暴走族に入ってしまうような人をどうやって引き上げるかということを議論すべきです。
ちなみに僕は小学校は公立でしたが、同級生で小5ぐらいから「オレは暴走族に入ってバイクを乗り回す」と言っていた人がいましたね。たしか、噂では中学2年ぐらいで暴走族に入っていたかと記憶しています。事故で怪我をしていなければいいのですが。小学校の同窓会はなかなか多種多様な人がいて面白いので毎回参加するようにしています。前回は19才のときに集まりましたが、早稲田で成績優秀な人もいれば、結婚して子供を抱えている人、消防士として働いている人、家業を継いでいる人、OLとして働いている人、本当に色々な人がいます。進学校の世界とは全く別世界です。でも、同じ教室で6年間をともにした仲間、同窓会では「そんなの関係ねぇ!」です。昔やった鬼ごっこや「先生vs児童」のバトルの話に花が咲きます。僕なんかトラブルメーカー度ではかなり上位に入っているかなぁ。権威とか秩序を掻き乱すのが大好きですからね。いじめられもしたし、いじめもしたし、先生とけんかもしたし。屁理屈もこねまくっていましたが、公共精神が強く、皆が嫌がる掃除とか給食当番は積極的にやったので先生から評判はまぁまぁ良かったです。
先生から言わせれば、僕らなんかはまだ可愛いほうで、最近の小学生はもっと厄介なんだそうです。