コンタクト診療所

コンタクトレンズ診療所、医師の名義貸し横行
前から言われていた問題ですが、予告どおり厚労省も検査に乗り出しましたね。実はコンタクトバイトは儲かるとかいって、眼科医じゃない医師がやっているという場合が往々にしてあるということは有名な話です(それ自体は違法ではないですが)。15年ほど前から「眼科は儲かる」とかいって、今までマイナー科だった(アメリカでは眼科はトップ連しか行けないエリート科だそうですが)眼科に一斉に研修医が押し寄せるという事態が発生していました。最近では診療報酬の改訂でそうでもなくなってきているのですが、厚労省内で政策立案業務を担当している技官さんにとっては自分たちの同級生が眼科に集中したという経験から「医師が眼科に集中し過ぎ」という認識が強いみたいです(だから診療報酬改訂につながったのですが)。

低学年の医学生の間でもいまだに「眼科=ウハウハ」というイメージがあるようですが、ちゃんと調べると実際はそうでもないんですね。のぢぎく県の中北部では産科小児科の次に撤退が激しいのが眼科という話もあるぐらいです。もちろん、医局員が10年ぐらいですぐに開業してしまうからという理由も大きいのですが、眼科医自体も決して増えているわけではなく、ほぼ横ばいから若干減少の傾向にあります。マイナー科はメジャーと違って後期研修は大学病院を選ぶ傾向がありますが、それでもうちの大学では入局者が5人もいなかったと聞いています。皮膚科が10人を越えたのとは対照的ですね。

結局はコンタクトバイトや一部の自由診療が少し羽振りが良かっただけなわけで、患者の利益という観点と医学生の間違った幻想を打ち砕くという意味で、今回の検査はそれなりの意味があったのではないでしょうか。診療報酬がいわゆるコンタクトレンズ(CL)診療所でCLの廉価販売に当てられているとすれば問題だと思います。

あ、補足しておきますと、コンタクト診療所は外来患者のうち70%以上がコンタクトレンズ患者の眼科標榜診療所のことを指します。この中にはコンタクトレンズ売店が診療所の実質的な経営者になっている場合が多いというのが特徴です。一般の眼科ではそういうところは皆無に近いと思います。