海外の大規模農業

アナトリア高原ではこんな感じで農業してます




トルコは発展途上国ですが都会への人の集中率が高く、人口の70%近くが都市に住んでいます(日本と同じぐらい)。イスタンブルや都市以外は荒地かこんな感じです。比較的険しい山地が少ない&肥沃な大地だからこそなせる業ですが、海外の大規模農業が日本の大規模農業と事情が違うことが分かります。地平線まで小麦畑が続いていることも多いですね。オレンジがとても安いそうです。日本で1個買える値段で1箱は買えるとか。

かつてアメリカに旅行に行ったとき、B767で大陸を横断したのですが、地理の教科書に出てくるセンターピボット式の農場が見下ろす限り続いていました。日本で大規模農業といえば新潟県八郎潟干拓した大潟村が有名ですが、こんな感じです。トルコの標準=大潟村みたいな状態です。作っているものが違うので一概には言えませんが、消費低迷と安い輸入米に押されて米価が原価割れしてしまう理由がなんとなく見えてきます。

僕は周囲がパンや肉を好んで食べている中で、米と味噌汁ばかり好んで食べている古い人種なので、日本の米が衰退してしまうのは寂しいですが、こうやって海外の大規模農業と比較してみると、もはやこれは時代の流れだという感想を持ちます。唯一、日本の農業を救うにはこんな感じで小麦を作ることぐらいしか思いつきません。みんな麺類やパンは大好きです。家畜飼料に米という話もあまり進んでいません。米⇒小麦・大豆のシフトとそれを促進する政策を導入しなければ日本の農業は遅かれ早かれ崩壊すると思います。また同時に大規模化を図る必要があり、そのためには人を周辺の都市へ移し、家や神社や農地が混在していた土地を広々と使って完全農地化するしかないと私は思うわけです。日本は山がちで平らな土地が少ないですからね。

もっとも日本の農地を小麦の栽培地にできるのかというと、農業の専門家ではないから分かりませんが、一般的に小麦は収穫期の夏に乾燥している必要があるのだそうです。すなわちCs(地中海性)気候やCfb(西岸海洋性)気候である必要があります。ところが日本は夏に梅雨や台風が来る上に多湿になります。当然、病気も増えるでしょうし、栽培がしにくいはずです。現行でも裏作として全国で小麦は作られているようですが、梅雨がない北海道以外はどこも大抵が小規模なものだそうです。特にパンに使われる硬質小麦はあまり日本で栽培されていないとのこと(ハルユタカという品種はあるらしいですが)。

ただ、最近は品種改良のスピードも向上していますし、場合によってはGMなどを使って日本でも栽培しやすい小麦を作ってもいいかもしれませんね。とにかく冬場に小麦が大規模に作られるように政策転換することが必要だと思います。(日本の小麦自給率が悪いのは食生活の欧米化に反して米ばかり作らせた農水省の政策ミスだということも言われていますが)むしろ、そうしなければ食料自給率の向上も農業生産性の向上も果たせないでしょう。

どうでもいいですが、先日から日本の食の変遷という視点から食料自給率を考えようと思って仕込みをしています。いずれ完成したらデータとともにアップしたいと思います。ちなみにこの仕込をしようと思ったきっかけは、国際保健の授業で食糧難の途上国には一人一日当たり400gの米の支援が必要だということを聞いたためです。今、多くの日本人は1日茶碗2杯ちょっと(160g。ちなみに1合=150g)の米しか食べていません(僕は1日3杯ぐらい食べますが、おかわりはしませんね)。しかし、食糧難の途上国では飽食でもない(むしろ必要最低限)のに1日1人当たり400gの米が必要なのです。このカラクリが理解できるでしょうか?それをできる限りデータを用いて証明したいと考えています。

参考:都市人口率世界地図
各国の都市人口率の世界地図