利便性か環境保護か

今日はバイトがキャンセルになったので、いつか行きたいと思っていた箕面グリーンロードを走ってきました。新御堂筋(R423の一部。R423自体は梅田〜新御堂筋箕面市萱野〜(R171重複)〜池田〜川西〜止々呂美〜豊能〜亀岡を結ぶ道路。要するに大阪市内と亀岡を結ぶ幹線道路)の延長上にある有料道路で、全線がほぼトンネル(箕面トンネル:5.6km)の道路。池田や川西に迂回しているR423のバイパスであると同時に、新名神箕面IC予定地と大阪方面を結ぶ目的で建設され、R423新御堂筋の終点である箕面市萱野から同じくR423の止々呂美をバイパスする。普通車片道600円。このトンネルを掘ったおかげで、地下水脈が分断されてかの有名な「箕面の滝」が枯れ、現在はポンプで水を汲み出して水量を維持している状態。行ってみたところ、片道600円と割高な割には多くの車が通行していた。R423をそのまま通った場合、池田や川西の市街地をぐるっと回らないといけないから、昨今のガソリン代を考慮すると600円を払っても通る価値があると考えている車も多いのだろう。5分足らずで止々呂美に到着。車の台数や豊能方面へのアクセスのよさから考えて、このトンネルは作って正解と言えるだろうが、自然環境面への影響は心配だ。

青色がR423。緑色が箕面グリーンロード

グリーンロードからR423を通ってかねて行きたかった妙見山へ。まさに里山という風景が広がる中、急坂を登る。頂上ではヘリコプターの遊覧飛行が行われていた。妙見様(妙見菩薩北辰妙見菩薩ともいう)は北斗星の生まれ変わりという信仰があり、妙見菩薩を祀る日蓮宗の寺がある。天体とのかかわりを重視しているためか、「星陵」という仏教らしからぬ信徒会館があった。

妙見山を降りた後は亀岡へ。亀岡に行くのは何年ぶりだろうか。保津川くだりをした小学校以来のような気がする。亀岡は山陰本線があるためか、京都への通勤圏となっているらしく、山手まで住宅地が広がっている。大阪府民からすると亀岡=保津峡=ローカルなイメージがあるだけにこれは少し驚きだった。

亀岡からは府道枚方亀岡線(r6)、茨木亀岡線(r46)で帰途へ。途中で新名神通過予定地と安威川ダム建設に伴う路線付け替え箇所を見る。安威川ダムは何十年かに一度氾濫する安威川にロックフィル式の多目的ダムを作って、治水や利水を行おうとする計画であるが、近くに天然記念物であるオオタカオオサンショウウオなどが生息しているほか、市民の憩いの場ともなっている安威川上流の渓谷をぶち壊すことになるため、反対運動が起きている。私もあまり賛成はしていない。しかし、写真にもあるようにダム建設にともなう府道付替工事や住宅移転がここまで進捗しており、これまでかかった費用を考えるともはや手遅れという感が否めない。橋下知事は凍結する案を出しているが、ここまで来ているのならダムはともかく、最低限道路の付け替え工事だけは予定通り進めて欲しいものである。この状態でストップされたら何をやっているか意味不明である。

公共工事による利便性向上と環境保護のバランス。宝塚や西宮を流れる武庫川の上流にもダムの建設計画があり(幸い調査段階で建設などは行われていない)、私は建設に反対する市民団体に入っているのだが、いつもこの問題については一筋縄ではいかないものだと強く感じる次第である。