弱い人は飲まないのが正解

お酒弱いのに飲酒・喫煙、食道がんのリスクは190倍
SNP解析で有名な東大医科研の中村先生の研究ですが(実は私が医学部を目指す最後の決め手になったのは、中村先生の講演会でオーダーメイド医療の話を聞いたことがきっかけ)、190倍という数値はそうそう出てくる値ではありません。原著論文を読んでみたいのですが、どこに発表したのでしょうかね。PubMedで検索してみたのですが、見当たりませんでした。

読売の記事に出ている酵素1というのは、常識的に考えるとAlcohol dehydrogenase(ADH)、酵素2というのはAldehyde dehydrogenase(ALDH)、特にALDH2と呼ばれる酵素のことを指すのだと思います。アルコールは一般的にADHによってアセトアルデヒドに変換され、それがさらにALDHによって分解されていきます。顔が赤くなるとか、気分が悪くなるというのはアセトアルデヒドの作用によるものですから、ALDHが弱いと酒に弱いということになります。表でいえば3行目にあたります。
私も月1ぐらいで飲酒(平均コップ1〜2杯ぐらい、最大中ジョッキ1杯)はしますが、だいたいコップ1杯目で真っ赤になって、周囲から心配されるのが常です。会話、思考などは多幸感があるぐらいでほとんど正常なのですが、顔の赤さにビビるんでしょうね。本人はあんまり気付いてないのですが・・・。
しかし、酵素が弱いで飲酒喫煙をしなくてもリスクが1.7倍ですか。気をつけないといけませんね。こういうデータを見ると、弱い人に酒を無理に飲ませるのは犯罪だと思いますね。医学生でもこれだけ授業をいっぱい受けて知識があるにも関わらず、「酒=鍛えれば飲める」と勘違いして無理に飲ませたり、潰れたりしているバカがたまに散見されますが、はっきり言って迷惑です。
こちらからすれば、そういう人がどこに出没するかわからないので、あんまり飲み会、特に学生同士の飲み会には参加したくないという心理があるのですが。社会人の人はさすがにその辺はわきまえていらっしゃるので、社会人との飲み会は結構好きです。だから会話する人が30代以上になり、持ちネタもその世代ぐらいになるという・・・・院生や先生との話は盛り上がるのですが、同級生同士の会話はあんまりついていけなかったりします。まぁ、それは酒のせいだけとは思いませんが(いわゆるAsp傾向?)。