カチカチ山

法哲学の本を読んでいて、はじめて知ったことですが、「カチカチ山」というのはもともとはウサギがタヌキを虐めるところだけが原作で、それではあまりに童話として問題があるということでタヌキが老夫婦を困らせる前半部分を付け足したのだそうです。では、元の部分だけを抜き出すとどうなるか?(from wikipediaのあらすじ)

ウサギは親しげにタヌキに近づき、金儲けを口実に柴刈りに誘う。その帰り道、ウサギはタヌキの後ろを歩き、タヌキの背負った薪に火打ち石で火を付ける。火打ち石の「かちかち」という音を不思議に思ったタヌキが、このことをウサギに聞くと、ウサギは「ここはかちかち山だから、かちかち鳥が鳴いている」と答えた。結果、タヌキは背中に大火傷を負うこととなったがウサギを疑うことは無かった。
後日、何食わぬ顔でウサギはタヌキの見舞いにやってくると、良く効く薬だと称してカラシ(もしくはタデの汁)をタヌキに渡した。これを塗ったタヌキは更なる痛みに散々苦しむこととなったが、やはりウサギを疑うことは無かった。
タヌキの火傷が治ると、最後にウサギはタヌキの食い意地を利用して漁に誘い出した。2匹が湖に来ると木の船と一回り大きな泥の船があり、ウサギは「たくさん魚が乗せられる」と嘯いて、タヌキに泥の船を選ばさせ、自身は木の船に乗った。沖へ出てしばらく立つと泥の船は溶けて沈んでしまい、タヌキは溺れてウサギに助けを求めた。しかし、ウサギは逆に艪でタヌキを沈めて溺死させた。

ウサギの詐欺、傷害、殺人罪が成り立ちそうです。というかタヌキの人がよすぎ。

ちなみにこの元の話ではなく、現代版カチカチ山について香川県で今年1月に小学生による模擬裁判が行われたそうです。タヌキも悪いがウサギはもっと残酷などの意見が出され、ウサギは懲役9年になったそうな。
「かちかち山」ウサギに懲役9年 香川の小学校で模擬裁判

皆さんが小さいころから慣れ親しみ、これこそ「正義」と、ある意味勘違いして育ってきたことに香川の小学生は一石を投じてくれたようです。