関空までの道

前原大臣が関空を視察したようです。アクセスの悪さを除いては、個人的に気に入っている関空無線LANが誰でもタダで使えたり、見学者にも特典が色々ある)なのですが、普段は高速道路を走るリムジンバスで行くのでイマイチ距離感がつかめていないんですよね。日帰り往復2000円(!)ということもあって、住んでいる北摂地域ではなく三宮から乗ることが多いし。

外科的思考とも言われることがあるのですが、実際にどれくらいの距離があるか、確かめるのはこの目と足が一番手っ取り早いということで、自転車(10年前のステンレス製3段変速シティサイクル)で関空対岸まで行ってみることにしました。連絡橋は自動車専用道路なので自転車や歩行者、原付は通行できません。よって最終目的地はりんくうタウンです。

途中、長年行きたかった仁徳天皇陵で観光をしたり、自転車博物館に寄ったり、前ライトの豆球を交換したので、その分でのロスを勘案すると往復9〜10時間ぐらい。距離にして片道65km、往復130kmぐらいです。信号待ち等を含めた平均時速は13〜15km/h。昔は毎日自転車で3kmぐらい走っていましたが、最近はもっぱら徒歩と電車が多く、2カ月に一回1時間半ぐらいのサイクリングを楽しむ身なので、途中から疲れてきてそんなにパフォーマンスはよくありませんが、だいたいこのぐらいはかかるということです。距離としては住んでいるところから明石までの往復と同じ。名古屋まで片道で行ったときの距離とあまり変わりませんね。

高校生の時に宝塚、大学3年の時に大津まで行ったことがありますが、今回の方がはるかに距離が長い。宝塚までは片道25km、大津までは片道40kmぐらいです。先日には伊丹にも行きましたが、この時はせいぜい片道1時間半ぐらいしかかりませんでした。今回はそれをはるかに超える65km。いかに関空が遠いかということを物語っています。特に堺から南が予想外に長かったです。たしかに阪和線関空快速の停車駅を見ても堺から南に結構たくさんの停車駅がありますね。

でもこれだけ走ると対岸に関空の管制塔が見えたときはやはり感動しますね。あと特に良かったのが、帰りに浜寺の三井化学のコンビナート脇を通ったこと。臭かったですが、夜のコンビナートの美しさは格別なものがあります。「ゴーー」と音がするので何かと思って見上げたら、すぐそばの塔の上でガスが燃えていたり(フレアスタック)。

このコンビナート、途中で臭いにおいが、いいにおいのように思える地点があって、ちょっとヤバかったですが。ヤバいというのは、私は小学生時代にディーゼル排気ガスが好きだったことがあるので、そのdejavu感があるのです。今は耐えられないんですけどね。やっぱり「芳香族」に反応しているのか・・・。あと地下鉄やエレベータの匂いは今も好きです。一方、化粧やアパレル店のにおいがダメ(なので服選びは20分が限界)だったりと、かなり普通の人とは違う嗅覚をもっています。

それはともかく、このコンビナートより南の泉州地域は自転車で走っていても港湾やタオル以外に大規模な産業が何もない地域で、関空ができたことで大きく産業構造が変わったのだなということはよくわかりました。岸和田の昔ながらの街並みが過ぎて貝塚を過ぎると突然、新興住宅地や巨大なショッピングセンターが出現するんですからね。なんか場違いな感じすらしました。

とりあえず、今回のロングランで分かったことは「関空への実距離は、遠いと思っている私の感覚以上に遠かった」ということでしょうか。ここまでリニアを引っ張ってくるのにどれだけの金がかかるんだろうというのも頭をよぎりましたね。