Re:東大入学式学長挨拶

学長はどうも私の中高のクラブの大先輩のようですので、一言コメントを。

 浜田純一学長は、入学した3163人の新入生に向けて「今は複雑な課題が数多くある時代。変化に動揺するのではなく、変化を楽しみ、変化を活力にできるような力を身に着けてほしい」と激励。時代は変動期にあるとして、「従来のやり方を踏襲するのではなく、新しい課題に挑戦し、自分自身でしっかり考えて方向を見定めてほしい」と呼びかけた。

世の中の変化に柔軟に対応するということは、「何を是とするか」という価値観を柔軟に変化させるということと同義です。変化を楽しむことももちろん大事ですが、ポストモダン社会の中で常に変化に対応し続けると、いつの間にか自分自身の価値観が定まらず発散してしまいます。東大生の多くは今まで親や周囲の望む通りに生きてきて、実際のところは本当の自分の価値観というものをちゃんと持てている人は決して多くない。頭が切れ、自己主張は巧みな人が多いが、心の中ではいつも親や社会からの目線、エリート路線の中での立ち位置ばかりを気にしている。地に足が着いていない。東大生に精神的な問題を抱える人が多いというのは、こういう背景があるからです。

だから変化を楽しみながらも、まずは自分の生き方を確立していってください。自分の意見を主張する時と同じように「自分はこれでよいのだ。これが自分の生き方だから」と、自分自身に対して確固たる自信をつけ、ありのままの自分を認めるのです。この世の中でありのままの自分を認めた自分ほど、強いものはありません。周囲の変化など些細なものにしか過ぎなくなります。もう変化に翻弄されることはありません。

今の時代は、価値観が多様化した一方で自己を認めにくい時代です。こういう時代だからこそ、もう一度自分を見つめなおして、真の自分に浄化し、それを承認してあげてください。