空港の廃止よりも活用を考えては?

昨日のクローズアップ現代、大勢の日本国民と裏腹に私は全国の地方空港の赤字が「たった」80億円しかないということに正直驚きました。地方自治体の投入額もあるとはいえ、せいぜい2、300億円程度の赤字で何十もの空港が運用されているというのは他の事業を比較してもマシなほうなんじゃないでしょうか。
空港は山がちな日本にとっては防災拠点として重要であることは言うまでもありません。阪神大震災ではいまや空港問題の象徴ともなっている関西空港を経由して海外から多くの支援物資が運ばれました。普段は小型機しか飛ばない八尾空港が物資輸送や政府高官の視察の拠点になったことも忘れてはなりません。本土利用者数最低のコウノトリ但馬空港はいま全国一忙しいドクターヘリの給油・夜間駐機拠点になっています。
もし正常なリスクマネジメントの感覚があるならば、これらの空港は決して単なるお荷物ではなく、活用の仕方次第でいくらでも有効に活用することが可能です。もちろん、収支計算には表れない形でです。そもそも公共事業というのは赤字になるからこそやる価値があるのであって、黒字になるならば民間にすべて任せればいい話。そこに杓子定規に収支の議論を持ち込むと公共事業の意義が本末転倒になってしまいます。そこまでマスコミや国民はちゃんと考えてるんでしょうかね。